▼現状と課題
乳幼児人口もピーク時からみると大きく減少しているにもかかわらず、長引く経済の低迷による家計への直撃で、働かざるを得なくなった主婦の増加や核家族化とひとり親家庭の増加、さらに親の就労形態の多様化や女性の社会進出などにより、子どもを安心して預けることのできる保育施設が不足し、現在保育園の待機児が多く発生しています。
一方で板橋区は私たちも推進した病後児保育や病時保育がすでに展開されています。特に病児保育のお迎えサービス付きは、保育園保護者の最も高いニーズに対応したもので23区初となりました。さらに育児と仕事の両立支援を推進する必要があります。
また児童虐待事件が年々増加し痛ましい事件が社会問題になっています。早期発見・早期対応など支援のシステム強化や強力なネットワークの構築、そして育児教育や赤ちゃん訪問事業の充実が求められています。
また発達障害者支援法が国で制定されてから、早期発見から生活支援まで生涯を通じて支援する仕組みが年々充実してきています。さらに個別支援計画などにより手厚い支援が求められています。
子どもの健康を保証するため、こども医療費は中学3年生まで無料化され、妊婦健診の実質無料化も本区では実施されていますが、母子保健サービスの更なる充実が求められています。
教育においては、地域との連携を強化した特色ある学校づくり、地域の人材を活用し、開かれた学校づくりが求められています。また本区では平成22年度から小中連携教育がすべての学校で始まり、小1プロブレム、中1ギャップの解消が期待されています。さらに中高生を中心とした青少年の健全な居場所づくりと体力の向上も求められています。
学校施設については、少子化の進行に伴う区立小中学校の小規模化に対応するため、学校の適正規模・適正配置を進め、教育環境の整備と学校教育の充実を図る必要があります。そして学校施設の老朽化により、改修や改築による耐震化が計画的に実行されていますが、太陽光発電や省エネなどの環境対策やバリアフリーなど将来に備えた施設整備が求められています。
▼重点政策
保育園の待機児対策と保護者の負担軽減を図ります
子どもの安全な居場所づくりと学力向上を推進します
母子保健サービスのさらなる充実を図ります
児童虐待防止条例の制定を検討します
子ども読書推進条例の制定を検討します
青少年育成条例の制定を検討します
学校施設の再構築と環境教育を推進します
▼重点政策の個別の重点事業
■保育園の待機児対策と保護者の負担軽減を図ります
●認可保育園の新設を中心に、認証保育所、家庭福祉員、ベビールームなどを拡充します。
●学校の空き教室などや空き店舗を保育施設に活用し、期限付き認可(分園)保育園の設置を推進します
●多様なニーズに対応するため区立保育園の民営化を推進します
●パートタイム労働者が利用しやすい「定期利用保育事業」を推進します
●認可外保育所の利用料の保護者負担をさらに軽減(月上限2万円に)し補助金なしの未認可保育室も助成対象に拡充します
■子どもの安全な居場所づくりと学力向上を推進します
●放課後の子どもの安全な居場所づくりとして、「あいキッズ(学童クラブを含めた放課後の居場所)」の全小学校での実施を平成27年までに実現します
●アイキッズにおいて学習遅れに対応する無料の補習を実施します
●学童クラブの利用時間の19:00までの延長と延長保育料の一律化を推進します
●小中連携教育から小中一貫教育を目指し、義務教育9年間を見据えた教育力の向上に取り組みます
●子どもたちの学力向上や体験学習の拡充を推進します
●問題を抱えるこどもの側に立ち、学校、家庭、関係機関と連携をとりながら問題を解決するスクールソーシャルワーカー制度を導入します
●発達障がい児等のための特別支援教育(支援員の確保と質の向上)を充実します
■児童虐待防止条例の制定を検討します
●ファミリーサポートセンターを活用したネットワークはもとより、分権化の流れのなかで、児童相談所機能を区独自で設置します
●アウトリーチ(訪問事業)を強化して、未然に児童虐待を防止します
●出産前後に必要に応じて保健師や助産師を派遣します
■母子保健サービスのさらなる充実を図ります
●幼児1ヶ月健診を実施します
●ヒブワクチン(細菌性髄膜炎ワクチン)接種の公費助成を実施します
●小学6年生女子に子宮頸がんワクチンの集団接種の公費助成を実施します
●発達障がいの早期発見に有効な5歳児健診を実施します
●こども医療費の無料化(中学3年生まで)を継続します
●妊婦健診の無料化を継続します
■子ども読書推進条例の制定を検討します
●幼児・子どもたちに「読み聞かせ」運動をさらに推進します
●小中学校での朝読書、全校実施を推進します
●学校図書館の業務委託を推進し、司書専門員を配置し、蔵書を増やして魅力ある学校図書館を充実します
●読書オリンピックを開催します
■青少年育成条例の制定を検討します
●中高生の利用できる青少年センターの設置を推進します(学校施設や公共施設の再構築の中で)
●中高生の利用できる公園を増やします
●中学校対抗駅伝を実現し、体力向上と地域活性化を図ります
■学校施設の再構築と環境教育を推進します
●学校の適正規模・適正配置を推進します。また人口減少社会の観点から、学校施設を保育所や高齢者福祉施設などに利用するなど、社会資本整備の再構築を図ります
●学校施設への太陽光発電(ソーラーパネル)、学校ビオトープ設置やエコ改修、ICT化を推進し、学校施設を環境教育の教材として活用します